【経済産業省】繊維・アパレル産業における環境配慮等の取り組みについて(更新 2024/6/25「環境配慮情報開示ガイドライン 第1版」公表)

繊維・アパレル産業における環境配慮等の取り組みについて、経済産業省より以下資料等が公開されましたので、お知らせいたします。

繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン 第1版(2024/06/25)

本ガイドラインは、繊維・アパレル企業が主体的に環境配慮情報開示などができるよう、開示の考え方、期待される環境配慮項目などについてまとめたものとなります。

【本ガイドラインの構成】
・情報開示をめぐる国内外の制度動向
・我が国における情報開示の考え方
・情報開示が期待される開示項目
環境配慮情報の開示に関する制度や指針等については、国内外で様々なものが策定・公表されていることから、国内外の動向を紹介した上で、参考としていただきたい情報開示の考え方、外部環境に対して特に影響を及ぼしうる点に鑑み、開示することが期待される項目が具体的に例示されております。
主な内容について下記に紹介致します。

(我が国における情報開示の考え方)
(1)事業活動が外部環境に及ぼす影響の特定、及び行動方針の策定
(2)数値目標(KPI)の設定
(3)目標達成にむけた具体的な取組の設定

(情報開示が期待される開示項目)
(1)製造工程におけるエネルギー使用量・温室効果ガス排出量
(2)製造工程における水使用量
(3)環境に配慮した原料・素材の使用
(4)使用、廃棄に係る環境負荷
(5)化学物質の使用量
(6)販売製品の廃棄量
(7)回収した衣料品の処分方法
(8)生物多様性に関する取組
(9)その他環境配慮に関する取組

【経済産業省】
繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン 第1版

(2024年6月25日)
産業構造審議会 製造産業分科会 繊維産業小委員会 中間とりまとめ

経済産業省 産業構造審議会 製造産業分科会 繊維産業小委員会における、「繊維産業におけるサステナビリティ推進等に関する議論」の中間とりまとめになります。この議論を反映させた『繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン 第1版(2024/06/25)も同時に公表されております。

【中間とりまとめの構成】
・我が国の繊維産業における諸課題の分析と論点の整理
・環境配慮等に関する国内外における政策動向
・環境配慮等のサステナビリティへの対応
・人材確保・取引適正化への対応
・繊維産地におけるサプライチェーンの維持に向けた取組の方向性

同時に公表された『繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン 第1版(2024/06/25)』より詳しく書かれている情報開示をめぐる国内外の政策動向について下記に紹介致します。(情報開示をめぐる国内外の政策動向)
・EU「エコデザイン規制(ESPR)」を2024年5月に採択。
・欧州繊維戦略:①エコデザインの要件化、②「デジタル製品パスポート」の導入による環境面での情報提供の義務化、③過剰生産・過剰消費からの脱却、④未使用繊維製品の廃棄抑制、⑤拡大生産者責任(EPR)の見直し、⑥グリーンウォッシュ規制。
・EU2023年1月「企業サステナビリティ報告指令(CSRD)」を発効。EU2024年2月「環境主張に関する共通基準を設定する指令(グリーン・クレイム指令)」を採択。
・フランス2022年1月1日繊維製品の売れ残り商品の廃棄禁止と再利用やリサイクル、寄付を企業に義務付け、罰金は1500ユーロ。修理される衣料品・靴の量を2028都市までに35%へ。2024年3月2004年法第2129号消費をあおる低価格を記載した広告(デジタル、SNSを含む)の禁止、罰金は1製品あたり最大10ユーロ。

【経済産業省】
繊維産業におけるサステナビリティ推進等に関する議論の中間とりまとめ
繊維製品における資源循環ロードマップ

(2024年3月18日)
繊維製品の環境配慮設計ガイドライン

【主な内容】
経済産業省は、繊維製品における環境配慮設計を促進していくため、環境配慮設計ガイドラインを策定し公表しております。
2023年度、一般社団法人繊維評価技術協議会が経済産業省の委託事業として産学連携のもと消費者団体等の協力を得てガイドラインをとりまとめてきました。このガイドラインでは、繊維産業のサプライチェーンに従事する各事業者にて取り組むべき環境配慮設計項目、評価基準や評価方法が設定されています。
・生産、販売、リペア・リサイクルの各段階に応じた環境配慮が求められる。
・普及活動として、事業者向けには、人材育成や技術的支援、LCAやCFPを容易に算出できるよう手順書を整備する。また、消費者向けには、意識向上や行動変容を促す取組について検討していく。

・2024年度以降は、環境配慮設計ガイドラインの規格化等を見据えた検討を行っていく 。
(1)標準的共通指標の策定:環境配慮設計項目毎に要求されるスペックや評価方法としての標準的共通指標を策定する。また、欧州のエコデザイン規則やデジタル製品パスポート等の枠組みが明確化した際には必要な対応を盛り込む。
(2)トレーサビリティ情報の管理:衣料製品でのトレーサビリティ情報のデジタル化に関する調査を2023年度に実施したが、引き続き検討を進める。
(3)信頼性の確保:ガイドラインに準拠して作られた製品であることを確認できる仕組みとして、表示方法 、第三者機関による評価等を検討する。
【経済産業省】
繊維製品の環境配慮設計ガイドラインの概要(令和6年3月29日公表)
繊維製品の環境配慮設計ガイドライン(令和6年3月29日公表)
繊維製品の環境配慮設計に関する事例集(令和5年4月公表)

(2023年9月28日)
繊維製品における資源循環システム検討会 報告書

【主な内容】
・経済産業省と厚生労働省が2023年1月20日~9月21日まで7回の検討会を経て、2023年9月28日に報告書を公表しました。
・各社・各団体の取り組み事例のヒヤリング等をもとに検討しました。
(1)国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 「繊維製品の資源循環システムの構築に向けた技術開発について」
(2)帝人フロンティア株式会社 「繊維to繊維リサイクルの課題」
(3)倉敷紡績株式会社 「廃棄衣料を新たな資源にするアップサイクルL∞PLUSの取り組み」
(4)ナカノ株式会社 「衣料品リサイクルの現状と課題~サステナビリティとエコソフィ~」
(5)株式会社オンワード樫山「衣料品循環の実現に向けた取り組み~オンワード・グリーン・キャンペーン~」
(6)京都市 「使用済衣服回収・循環システムの構築と市民への普及啓発~京都の実践~」
(7)一般社団法人日本ユニフォーム協議会 「企業ユニフォームリサイクルにおける可能性」
(8)日本毛織株式会社 「服から服へ~廃棄量削減に向けた循環型制服の取組」
(9)日本化学繊維協会 「リサイクル繊維の表示方法の検討状況」
(10)ReFashion 「EPR for textiles and footwear, the French experience」
(11)EU 「TEXTILES ECOSYSTEM」
(12)H&M Japan 「循環型ファッションへの取り組み」
(13)パタゴニア日本支社 「リサイクル製品のメッセージ発信の取り組み事例」
(14)大津毛織株式会社 「天然繊維の資源循環 ウールのリサイクルについて」
(15)日本紡績協会 「綿リサイクルへの取り組みについて」
(16)ザ・ウールマーク・カンパニー 「羊毛産業のサステナビリティと循環性ザ・ウールマーク・カンパニーの取組」
(17)一般社団法人天然繊維循環国際協会 「天然繊維循環国際協会の取組について」
(18)サステナテック株式会社 「無水・CO2無排出染色加工技術の開発」
(19)国立研究開発法人産業技術総合研究所 「スマートテキスタイル開発の現状」
(20)東リ株式会社 「TOLI完全循環型リサイクルシステムについて」
(21)株式会社ニトリホールディングス 「ニトリグループの資源循環への挑戦」
(22)一般社団法人日本寝具寝装品協会 「寝具における資源循環の取組」

・回収に関する取組の方向性
(1)国・自治体・事業者による普及啓発
(2)回収拠点のより一層の整備
(3)自治体のグッドプラクティスの収集・整理。リサイクル技術を有する事業者の自治体等への発信の仕組みの整備
(4)広域認定制度の周知と制度活用に向けた検討
(5)事業者等の故衣料品等を循環利用する計画の認定と認定事業者に対する支援措置の検討

・分別・繊維再生に関する取組の方向性
(1)回収拠点のより一層の整備(再掲)
(2)故衣料品の分別・選別の効率化に向けた自動選別技術の開発(NEDO先導研究)
(3)故衣料品に含まれる繊維素材等に関する情報のデジタル化(ICタグ活用の標準化調査)
(4)単一素材のケミカルリサイクル技術の商用化に向けたコスト低減・リサイクル繊維の品質向上等の技術高度化 (令和4年度補正予算にて支援)
(5)混紡品の分離・再生技術の開発(NEDO先導研究)
(6)超臨界脱色加工技術等の水消費量の少ないプロセスの開発(NEDO先導研究)

・設計・製造、販売に関する取り組みの方向性

(1)「環境配慮設計ガイドライン」の策定(法制度上の位置づけについても検討)
(2)繊維製品におけるマテリアルフローの更なる精緻化:環境配慮設計ガイドライン準拠製品に対する表示のあり方、製造事業者に対する支援措置の検討
(3)標準化(JIS化)の検討と海外制度との調和(ISO化を見据えた検討)
(4)新たな表示制度の検討やグリーン購入等での優遇
(5)アパレル企業等が回収した故衣料品の情報開示に取り組みやすい環境整備、取組に対する支援の検討
(6)意識醸成に向けたそれぞれのプレーヤーの責務の明確化
【経済産業省】
繊維製品における資源循環システム検討会 報告書
繊維製品における資源循環システム検討会 報告書概要